2016/04/25 公開

就活サイトは「図鑑」と割り切ろう。就活サイトに頼らずに中小企業の採用を成功させるための5つの方法

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こんにちは。人事タックルで2度目の寄稿をさせていただくことになりました、かるび(@karub_imalive)と申します。今回も、よろしくお願い致します。

さて、前回に引き続いて新卒採用の話です。先日、毎日新聞で、こんな記事がありました。
巨大化する就活サイトの「出会えない」ジレンマ(前編)

リーマン・ショック後、一貫して伸び続ける新卒求人数を受け、新卒向け求人サイトは年々巨大化の一途をたどっています。数年前にエン・ジャパンが新卒から撤退して以来、特にここ3年はリクナビ、マイナビ、キャリタス就活(旧日経ナビ)の大手3社に掲載が集中しています。

記事中のデータを見てみると、2012年には3社合計でのべ12,500社程度だった掲載数は、なんと’17新卒においてはのべ50,000社を超えているという・・・。

※数字引用先:掲載企業数は各社開示データのオープン日の数値(2012~2016年卒のキャリタス就活は、日経就活ナビの数値)
※数字引用先:掲載企業数は各社開示データのオープン日の数値(2012~2016年卒のキャリタス就活は、日経就活ナビの数値)

実は、僕の会社でもこの中の1社を使ってはいるのですが、2年前からハッキリとここからのマッチング実績が落ちています。だって、それはそうですよね。単純に考えても、毎年卒業する学生の数は増えていないのに、就活サイトへの掲載社数だけは4倍以上に増えているんですから・・・。単純計算しても、応募者は1/4になっちゃいますよね?

もちろん、就活サイト側も、色々とマッチングの機能を強化してワンクリックで応募できるようになっていたり、学生の志望先に応じてレコメンド機能を強化したり、サイト上での導線強化をしてくれてはいます。強めに交渉すれば、無料でのWebDMやスカウトサービスをプラスしてくれたりもしますから(笑)、やれる限りではいろいろやってくれていることは確かです。でも、ハッキリいって、これだけ掲載社数が増えたらそういった努力も焼け石に水であります。残念ながら、今年の’17新卒では、就活サイトは事実上使い物になっていない状況であります。

今回のエントリでは、「就活サイトふざけんな!」的な話ではありません(笑)こればかりは商売だから仕方がない。彼らにとっては今が書き入れ時なんでしょうから。就活サイトや業界へのグチを言ってても、採用は進みません。そこで、本エントリでは前回エントリで紹介した「3月末まで粘り切れ!」というスタンスに加え、「どのように」この厳しい’17新卒を戦い抜けばいいのか、特に中小企業の採用担当としての僕自身の実体験も交えながらアイデアを書いてみたいと思います。

ネット上の膨大な情報量の中で埋もれる自社情報。”アナログな採用活動”に切り替えるべし。

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そうなのです。身も蓋もなく単純な結論なのですが、「他社との差別化」を行うことでしか、埋もれたところから脱出することは不可能なのです。他社がやらないようなこと、面倒なこと、見落としていることをやっていこう、というのが戦略の骨子となります。

そこで、まずは昨今の平均的な企業における新卒採用はどのような感じになっているのか確認してみましょう。

まずは、就活サイト。大手3社のいずれか、または複数のサイトへ自社情報を掲載し、そこから説明会、採用選考の管理を行うことが一般的です。また、その合間を縫って企業ブログやFacebook、Twitter、今年だとInstagramなんかで会社のアピールも忘れずにやってみる。場合によっては、会社から学生を逆指名するマッチングサイトを試したり、自社のオウンドメディア上にも応募フォームを設置していたりするかもしれませんね。そして、その合間に懇意にしている大学や専門学校にも顔を出して、学内の合同企業説明会にも足を運ぶ・・・。

まとめると、ここ最近の一般的な新卒採用の傾向は、「就活サイト中心のデジタル型採用活動」になってきていると思うんですね。

僕の提言は、このIT活用が進んだデジタル中心の採用活動をやめて、思い切って10年前、20年前に主流だった「アナログ中心の採用活動」に戻ってみては?ということなんです。

就活サイトは「図鑑」と割り切り、最小限の投資にとどめる。

そのためには、まず、就活サイトを思い切って捨ててしまいましょう。ぽいっ。・・・いや、本当に捨ててしまうんじゃなくって、当てにしないという意味あいです。上述したように、すでに就活サイトの中は完全にバブル状態。そんな中では、一部の知名度の高い大手企業以外は、就活サイト上に追加投資をしてテコ入れをしたってハッキリ言ってムダです。焼け石に水状態で、お金をみすみすドブに捨ててしまうようなものです。

もちろん、完全に撤退する、というわけではありません。就活サイト3強の大手一角のどこかには、安い掲載プランでいいので会社情報と応募フォームを名刺代わり、図鑑代わりに最低限置いておいた方が無難です。なぜなら、今の学生は、会社情報を入手するのに就活サイトを入り口に使うことが多いからです。だから、全く載っていないのはマズい。でも、ここは最小限の投資でいいと思います。

0泊1日で弾丸採用出張、縁故採用。「アナログ採用」で特に力を入れたいこと5つ

アナログ採用2

1:秋でも遅くない。ターゲットの学校に、片っ端から訪問しよう

まず、就活サイト投資へ振り向けるそのお金があったら、学校訪問への旅費交通費に当てましょう。とにかく、今からでいいので、貴方の会社が採用ターゲットにしたい大学・専門学校に電話をかけまくって、アポイントを入れてください。

今からでは春先の学内合同企業説明会への出展申し込みは間に合わないかもしれませんが、秋口には間に合います。秋口からでも学内合説を断続的に実施する学校は意外と多いもの。ここを丁寧に狙って行きます。

2:0泊1日で弾丸採用出張も!求人倍率の低い”遠方の学校訪問”を強化

これに加えて、遠方の学校も視野にいれてはどうでしょうか?例えば、貴方が東京・大阪・名古屋などの大都市の会社だった場合。思い切って、有効求人倍率の特に低い地方の都道府県の大学や専門学校を回るのはおすすめです。厚労省のこちらの最新の有効求人倍率を見ると、特に狙い目なのは全国的に求人倍率の低い北海道・青森・鹿児島・沖縄・高知の1道4県です。

また、首都圏や関西圏などでも、概ね車や電車で2時間以上郊外に出なければならないような大学や専門学校は、なかなか通うことができないため、競合企業が一気に減ります。そういった地方や郊外の大学の場合は、出張ベースで出かけて行くと、便宜を図ってもらえるケースも多々あります。例えば、その場で空き教室等を活用したオーダーメイド型の採用選考会や面接会を開催させて頂ける学校は結構あるようです。

実際、僕もよく地方の学校は新幹線を活用して0泊1日で弾丸採用出張に行くことがあります。あいさつ回りをしつつ、東京で働きたい学生を集めてもらい、オーダーメイド型選考会を実施して1日で内定出しまで行なうことも多々ありました。地方の場合は、学生が大都市側に出てこれないので、即断即決が基本ですよ。

3:関係構築で出展枠も?学内合同企業説明会はコスパ高し

最近は、就活サイトよりも学内合同企業説明会の方が効果が出やすいことが浸透してきており、各大学に学内合説のブース出展申し込みが殺到しています。そこで、学校の中にはその辺りの調整を学校自ら実施するのではなく、仲介業者に任せている場合もあります。

そんな時は、有料になってもいいので、迷わずその仲介業者を介して、いくつか参加してみることをお勧めします。民間の大手就活サイトが実施する合同企業説明会の相場は、1日1ブース100万、200万と高額なケースもよくありますが、学内合説なら、ネームバリューのあるそれなりの大学の合説出展料でも10万、20万程度で安く済むケースが多いからです。

僕の会社では、長年のお付き合いで関係構築ができている大学は出展枠を頂けていますが、そうではない大学の学内合説は、有料出展で最初のきっかけをつかむようにしています。

4:縁故採用、社員紹介は良質な求職者が集まる最強の手段!

今も昔も、縁故採用が実は最強の採用手段なのです。今風に言うと、リファラルリクルーティングでしょうか。とにかく、知り合いで良い人がいたら支度金や報奨金を出してでもいいので、会わせてもらいましょう。

例えば、ネットベンチャーなどを立ち上げる時は、まずは社長さんが自分でスカウトしてきますよね。それと同じ理屈です。超大手企業のコネ採用は色々と問題があるのでしょうが、一般的な中小企業等において、この学生側有利な売り手市場下では、コネ採用はあまり問題にならないと思います。

僕の会社でも、新卒・中途を問わず、常時社員による「社員紹介制度」を実施しています。社員から、休職中の友人や知り合いなどを紹介してもらい、選考を行ないます。無事、選考合格となり、入社が確定した際に、報奨金10万円を社員にインセンティブとして支給していますが、非常に良質の求職者がピンポイントで集まります。社員側にも、下手な知り合いは紹介できない、という心理が働くのでしょうね。非常に有効な制度です。

5:第二新卒も新卒枠に含むことで、ライバルが少なく優秀な人材が採れる

あまりニュースになりませんでしたが、今年の1月に経済同友会から、「卒業後5年間は新卒とみなしてはどうか」という新たな提言がありました。従来から、文部科学省の提言により、補助金とセットで「既卒者3年間は新卒扱い」という指針が出ていますが、これをさらに拡大するものです。

僕は、これを見て全く違和感を感じませんでした。なぜなら、社会人となって十分成熟した大人の仕事人として一人前になるのは、やはり早くても20代後半からだからです。また、一度社会人になってからキャリア変更を志して、専門学校に入り直す若者もかなり増えてきています。それであれば、第二新卒も新卒枠に入れてしまって、27、8歳までは本人と調整の上、新卒枠で迎え入れるのは別に不自然ではありません。
こういった柔軟な対応は、大手企業ではなかなか人事制度設計上できませんので、この第二新卒層に着目して、新卒枠と捉えることで、ライバルの少ないところで戦えるはずです。

足を動かし、人と人の繋がりを重視した「アナログ」的な採用手法を試してみては?

‘17採用は、ほとんどの会社にとって、通年採用に近い形で新卒採用が長期化するのは目に見えています。で、あれば、新しい施策を色々試すチャンスでもありますよね。デジタル採用全盛の今だからこそ、敢えて「人」と「人」のつながりを重視したアナログ的な採用手法を試してみてはいかがでしょうか?もちろんそれなりに工数はかかりますが、他社とは違うこういった試みこそが、必ず成果を産んでくれると確信しています。あきらめないで、頑張っていきましょうね!

それではまた。
かるび

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かるび
1975年生まれ、東京都在住。前職は都内システム開発企業にて人事・採用を主に担当。 40歳を機に、17年間のサラリーマン生活を一旦休止し、期間限定の自主的なサバティカル生活へ突入。 現在は主宰ブログ「あいむあらいぶ」にて日々の雑記を更新中。 ブログ:あいむあらいぶ twitter:@karub_imalive
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