2017/06/23 公開

【後編】「指標はANIとSHINCOの顔色。それだけ」・Bose(スチャダラパー)

失敗ヒーロー!

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失敗も成功もない。2人の顔色が「スチャの進むべき道」

――なるほど、神の啓示(笑)。では、Boseさん個人にしてもスチャダラパーにしても、逆に「この選択は失敗だった!」というような、お仕事の経験は?

Bose:例えば小沢くんにしても、今、自分が歩んでいる道に対して「違った道もあったんだ」ということを歌っているのが、新曲の『流動体について』ですよね。そういう「ここで、こっちの選択をしていたら?」という思いは、僕らにもいっぱいあります。だから「この選択が失敗、成功」という考えはなくて、「選択した以上、今が最高と思うしかない」という感じ。

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僕らが順調に売れていた時期に、もっと早いスパンで新作を出して、もっと売上を上げて、そのまま紅白、武道館ライブという道筋を描くのは、レコード会社としては当然。その筋書きを提示されたけれど、僕らは「そんなのダセぇ」って、絶対に選ぼうとしなかった。そうやって自分たちのテンポ感を守ってきたからこそ、こんなに長く活動できたと思うし、逆にレコード会社に言わせれば、「一度、大きく売れていれば、もっとラクに長くいられたのに」となるかもしれないし。

――レコード会社が提示する道とは逆を行く。そうした選択をする分岐点が多々あったかと思いますが、行く道を選ぶときに、絶対的な軸としていた指標はあったのでしょうか?

Bose:僕の目線から言えば、完全にANIとSHINCOの顔色。言っちゃえば、これだけ。僕個人は適応能力があるというか、決まってしまえばやっちゃうし。その反面、気付かないうちに自分のキャパを越えてしまったりしてね。だけどANIとSHINCOは本当に地に足が付いていて、「やりたくない」と思ったらまったく、微塵もノッてこない。

だから2人の顔色がそのまま、「スチャダラパーとしてやりたいこと、やるべきこと」っていうイメージですね。それを僕が客観的な目線で見て、「あ、この仕事はないね」って判断しているような。

「どんな会社を見ても、Boseが足りない」

――スチャダラパーのメンバーであり、プロデューサーであるBoseさんが、客観的な目線から仕事を選択する。まさにセルフマネジメントに通じるお話しですね。

Bose:作るものに対して妥協しないっていうのは当たり前の姿勢として、ANIが頑張りすぎていたら「もうちょいダラダラしたほうがいいよ」とかね。だから僕、語弊があるかもしれないけど、どんなグループを見ても、どんな会社を見ても「Boseが足りないな」って思いますから(笑)。

―― 一家に一台ならぬ、“一企業に一Bose”的な(笑)。

Bose:「僕さえ入れておけば、何とかなるのに!」って、冗談ですけど(笑)。例えば最近だと、加山雄三さんと仲良くさせてもらっていて、加山さんなんて恐れ多いくらい偉大な方ですけど、本当にオモロいの。このオモロさをもっとたくさんの人が知っててもいいなって思う(笑)。そのために、「どう翻訳したら若い人にもっと伝わるかな」「どうせなら、もっとオモロくしたい!」って、疼いてしまうんだよね(笑)。

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お笑いのツッコミをやっている人は、みんな同じような感覚じゃないかな? フットボールアワーの後藤さんなんて、それこそ司会者として引っ張りだこだけど、思考の仕方としては、完全に僕と一緒。呼ばれた現場に対して「声が大きい人がいるな。じゃ、アイツに球を投げる役割を担ってもらおう」とかね。場の雰囲気を読み取って動いていくのが個人的にも好きだし、音楽にしても芸能にしても、会社にしても、こういう人間がいることが一つ、成功のカギかもしれない。


【前編】「クオリティと契約。両方の責任を取った結果が『今夜はブギー・バック』」・Bose(スチャダラパー)
【後編】「指標はANIとSHINCOの顔色。それだけ」・Bose(スチャダラパー)


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