2017/06/21 公開

【前編】「クオリティと契約。両方の責任を取った結果が『今夜はブギー・バック』」・Bose(スチャダラパー)

失敗ヒーロー!

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「今の時代だったら、ラップなんて絶対やってない」

――来年には活動30周年を迎えるスチャダラパー。1988年の結成から2年後の1990年にレコードデビューをされていますが、デビューのいきさつから聞かせてください。

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Bose(ボーズ)
1969年生まれ。岡山県出身。1988年にBose、ANI、SHINCOの3人でラップグループ「スチャダラパー」を結成。1990年に高木完氏プロデュースによりメジャーデビュー。小沢健二氏とのコラボ曲『今夜はブギー・バック』や『サマージャム’95』などヒット曲多数。EGO-WRAPPIN’とコラボレーションの最新曲『ミクロボーイとマクロガール』と、ファン待望のスチャダラパー、夏の名曲続編『サマージャム2020』が好評配信中。http://schadaraparr.net

Bose きっかけはコンテストですね。「DJ UNDERGROUND NO.1コンテスト」の第2回大会だったかな。MAJOR FORCEっていう、日本にHIP-HOPを広めたようなレーベルが主催していて、審査員も高木完さんとかいとうせいこうさんとか、日本語ラップのパイオニア。そこで特別賞をいただいたことが、レコードデビューにつながりました。

――スチャダラパーは、独特なリリックやサウンドから“脱力系”と称されることも少なくありません。ある種、ゆるいイメージのスチャダラパーが、勝利を争うコンテストに出場していたことが意外です。
 
Bose 目立ちたいんだけど、目立ちたくない感じ? 当時のHIP-HOPって、パブリック・エナミーやRun-D.M.C(ラン・ディーエムシー)が主流だったから、格好もゴールドのチェーンにアフロとか、そういう人たちがいっぱいいて。だけど自分らがそれをやっても絶対に似合わないし、おもろくない。「どうやったら、その中でより目立てるかな?」っていう意識ですよね。だから歌詞にしてもサウンドにしても、もっと笑えるようにとか、もっと面白くとか、主流の人たちが触れないような部分を強調して。

そもそも僕らがラップを始めた時代って、元気にギターを弾いて青春しているような感じが王道だったから、そこでラップを選んだ時点でズレてるんですよ。逆に今の時代に生まれていたら、ラップなんて絶対にやってない(笑)。そうやって斜に構えてはいるんだけど、ウケたいし、ウケる自信もある。だからコンテストにも出たけど、「アイツらより間違いなくウケるはず。でも、すげぇ目立つのはかっこ悪いし」っていう。

実はマジメに就職。会社員の方がメインだった。

――そうして出場したコンテストで優勝でも準優勝でもなく“特別賞”というのは、まさにしてやったりですね。しかしその先、デビューへの目論見というのは?
 
Bose まったく。審査員だった完さんとか、せいこうさんとか、自分らが一番ウケたいと思っていた人たちにウケたもんだから、「もう上がり!」くらいの感じですよ。それが完さんの誘いでレコードが出せて、さらにメジャーデビューにもつながって。

デビューした以上、プロといえばプロだけど、最初の2年くらいは会社にも勤めていたし。デザイン学校のインテリア科に通っていたから、そのまま建築系のデザイン事務所に就職して、半分ラッパー、半分会社員みたいな。というか、完全に会社がメイン。当時はラップの仕事なんて、大してしてない(笑)。

――え、会社員だったんですか!?
 
Bose そういう働き方に憧れていましたしね。例えば、せいこうさんも講談社の社員と芸人を両立していたし、スカパラのメンバーも編集者だったり、ヘアメイクの仕事をしていたり。そういう音楽との向き合い方が東京っぽいというか、「がっつり音楽だけで食っていくとかダッサ」みたいな(笑)。でも予想外に、ラップの仕事が忙しくなっちゃった。

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