なぜ「おひるねアート」は急成長したのか? 仕掛け人・青木水理が語る「自分は何もできない!」を認めるマネジメント術

「働く女性」の未来像

2016/11/24
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高い値付けはプロ意識の現れなんです

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――先日の「大撮影会」撮影費用が4,000~8,000円、普段の撮影会は2,000円~3,000円。プロのカメラマンがつかないイベントとしては、決して「安い」とは言えない価格帯ですね。

青木 安くないですね。ただし、私は「適正価格を見つけてください」「自分の価値を認めてくれる人と付き合ってください」とよく言っています。値下げを要求してくる方は、こちらの価値を認めていない人だと考えています。たとえそうでなくても、「1円でも安いほうがいい」という主婦感覚もあると思います。値段を下げるのは簡単ですが、高く維持するのは難しいんですね。

その主婦感覚をぐっと押さえて、最低価格を上げる。その代わりに、お客さんに良いものを提供する。そういうマインドを持つことが重要です。「これだけの額を取っているのだから、しっかりしたものを作る」ということ。たとえ主婦から講師になったとしても、お客様から見たら関係ない、私たちはプロです。プロ意識を持ち、お客さんに対して甘えは見せないということですね。
 
――日本の企業・消費者双方に言えることですが、まだまだ「安いこと」と「サービスの質」を両立することが正義であると思われているフシがあります。優れたサービスには、それなりの対価をつけないと疲弊してしまいます。

青木 そういうプロ意識は、売れている講師ほどしっかりしていますね。遊び感覚でなく、お客さまとしっかりとした関係性を築き、結果的にお客さまからお金以上のギフトをもらう講師は多いです。それはお手紙であったり、「先生のお陰で本当に救われました」という声掛けであったり。お客さまからダイレクトに感謝の声をいただき、成長を実感する。こんな良い仕事は、なかなかないと思います。

「私は何もできない」と認めることにしました(笑)

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――組織の規模が大きくなると、トップとして権威を持たねばならない局面もあるかと思います。全国300人規模の講師たちのトップに立つにあたり、試行錯誤した部分はありますか? 

青木 やはり、距離のとり方には心を砕きましたね。ある時期、意図してメンバーと距離を置いたときがありました。あえて権威を持たせるための施策だったんですけど、そうすると、今まで一緒にやってきた講師たちは戸惑う部分もあったんじゃないかなと思います。

きっと講師からの私の見え方は、ひとりひとり違うんでしょうね。同じことを言っていても「思ったより親しみやすい」といわれるときもあれば「怖くて近寄れない」といわれるときもあります(笑)
 
――マネジメントとしては、難しい局面です。 

青木 縦割りの組織はよく批判されますし、弊害も確かにあります。ですが、きっちり権威を持っている人がいて、その下につく人がいて、その下がいて……というふうに組織づくりがなってないと、どうしてもナアナアになる部分が出てきます。これは、会社でも協会でも一緒ですね。

――そうした試行錯誤を経て、現在はどういう形に落ち着いたんですか? 

青木 一言でいえば、「私は何もできない」と認めることにしました(笑)。

――最終的には権威を捨てられたと。この結論に達したのは、いつごろですか?

青木 お恥ずかしいことに、本当にごく最近です(苦笑)。組織としての縦割りはもちろんあるので、私に直接講師から意見が上がってくることはほぼありませんが、自分自身の権威性は気持ち的にだいぶ捨てました。
 
おひるねアートはパフォーマンスが派手だし見た目にも何をやっているかわかりやすい。拡散力もあるので、ありがたいことにメディアさんに取り上げていただく機会も増えました。そうなると、昔から私を良く知っている人と違い、私のことを「おひるねアート協会の代表」としてしか知らない人も増えます。正直、どう振る舞うか迷う部分もあるんですね。よく「自分らしくいればいいじゃない」と言われるんですが、私、「自分らしくする」ことってイマイチよくわからなくて。

――周りに求められているように振る舞うことが多い、ということですか?

青木 そうですね。「自分らしくいてくれ」と言われてもピンとこないんですよ。実際はまわりからは相当好き勝手やっているように見られていると思いますけど(笑)。それも本当の自分か、といわれるといまいちそうではない部分もあって。

「それならモデルケースを持とう」と思っていろいろな社長さんにお会いして、どういう立ち位置が良いのかずっと研究してきました。それで判ったのは、どんなやり方でも、その人なりの成功スタイルはそれぞれ違うのだと。

そして、いろいろ学んでも自分の経験値なんてたかが知れてますから。年齢も若いですし、できることは限られているし、まだまだ失敗ばかりです。そう気づいたとき、「私は何もできない」と潔く認めることにしました。そうすると、人にぐんと恵まれるんですね。皆助けてくれるんです。

このコンテンツが世に広がることに喜びを感じるし、「おひるねアートをひとりでも多くの人に、少しでも早く届ける」ことが私たち協会の使命だと思っています。私のマネジメントスタイルというものがあるとすれば、そういう部分ではないかと思います。

――本日は、貴重なお話をありがとうございました!

<了>

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