なぜ「おひるねアート」は急成長したのか? 仕掛け人・青木水理が語る「自分は何もできない!」を認めるマネジメント術

「働く女性」の未来像

2016/11/24
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女性が女性をマネジメントする難しさ

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――青木さん自身も女性であり、講師も女性です。特有の難しさはありますか?

青木 ありますね。まず、ネックになるのが私の年齢です。32歳だと、経営者の中では若手です。社会経験も人生経験もないし、ついてきてくださる講師の方々は私より年上の方も多いです。それでも、立ち上げ期の講師はほとんどが「ベビーサイン協会」時代からの知り合いだったこともあり、「青木さんが面白いことをやるみたいだから」ということで参加してくださいました。すごく感謝しています。いろいろ辛辣な言葉ももらいましたが(笑)。

――どんなことを言われるんですか?

青木 端的に「みんな辞めたがってる」「こんなやり方じゃ誰もついてこない」とか。

――直裁的ですね……。

青木 先ほどもお話しましたが、最初の1、2年は「おひるねアート」を浸透させようと必死にもがいていました。講師と協会のためにはとにかくスピーディに、シェアを取らなきゃいけなかったので。でも、現場の講師からは「展開が早すぎてついていけない」「協会が何を考えてるかわからない」「ワンマンすぎる」というフィードバックをもらうことが多かったです。実際、今の自分が見ても傲慢だった部分はありました。

たまに講師から意見書をもらうこともありますが、なかなか手厳しいことも書かれています。最初の頃は失敗ばかりしていたので、自分のふがいなさと能力不足で毎日の様に泣いていました(笑)。でも、そんな中でも協会を信じて、ついてきてくれた講師たちには、とても感謝しています。彼女たちがいなかったら、間違いなく今の「おひるねアート協会」はありません。

オンオフをあえて切り替えない

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――青木さん自身もワーキングママですけれども、これだけ忙しいと両立は難しいのでは?

青木 両立は難しいですね。ワーキングママのモデルケースには、程遠い生活を送っています(苦笑)。ただ、子育てと組織マネジメントをともにやる中で思うことは、「力を入れたところはすくすく育つ、ないがしろにすると育たない」という当たり前のことですね。

子育ても組織育ても一緒。そういう観点で言えば、会社も、私の大事な子どもなんです。

――力のかけ具合が、アウトプットに正直に表れてしまうと。

青木 表れますね。目をかけてあげられるかどうか、だと思います。例えばいま撮影しているスタジオ(協会が運営するおひるねアート専門のフォトスタジオ「STORY 」は固定費が発生するので、月単位での売上管理が求められます。

短期的なスパンで考えなくてはいけません。一方、協会はもちろん短期的な売上も見つつ、ある程度長期的な視野で見てどう導いていくかを考える必要があります。どこに重きをおいてアウトプットするかで、結果は全く変わってきます。

――オンオフの切り替えも大変そうですね。最近では、オンオフをあまり切り替えない方がストレスはたまりにくいという研究も出ているようですが。

青木 私は、完全には切り替えない派です。遊んでいても常に仕事のことを考えているというか。逆にいうと私の考える仕事は、一般的な仕事の定義とはまったく違い大好きなライフワークなので、仕事も子育ても全部含めて私の生き方だと思っています。

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――無理にやっているわけではないから「休みがなくて惨め」という気分にもならないと。

青木 そうですね。あとはもう、覚悟ですよ。おひるねアート協会は、もう私の意志だけでは止められないんです。講師になりたい人は今も絶えませんし、お客さんも増え続けています。最近では「おばあちゃんになってもこの仕事を続けたい」という講師もいます。

おひるねアート協会は、「おうちで作れないから、撮りにいけるところがあれば」というママと「おひるねアートを作ることが好き!これを仕事にできたら」というママを結びつけるプラットホームのような役割だと思っています。そこに「イベントをして欲しいけど個人では頼みにくい」という企業さんがついて、巨大なムーブメントを生み出しました。

名前だけ聞くと「ふざけた協会だな」と思われるかもしれませんが、いろんな可能性を秘めていると信じています。でも、やはり主役はママと赤ちゃんです。絶対の安全性の確保が必要です。質の高いコンテンツを出し続けるために商標を取ったり、保険に加入したり、講師や企業さまへコンテンツの扱いや安全性を徹底したりしています。

安心安全なサービスを作るための法人化、となるとやはり覚悟が必要です。そうなると、やっぱりオンオフをパッキリ分けて……という考え方にはならないですね。いつでも、仕事のことを考え続けています。やっぱり、ワーキングママの事例としてはまるで参考にならないですね(苦笑)。

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