2017/05/19 公開

「日本には『助けて』と言えない環境があると思うんです」秋本可愛(Join for Kaigo代表)

「働く女性」の未来像

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100%覚えられる、トクな名前だと思います(笑)

――何度も聞かれているかと思いますが、「可愛」というお名前は特徴的ですね。
 
秋本可愛(以下、秋本) 秋本家の中で待望の女の子だったので「かわいい」「かわいい」といわれるうちに、命名も「可愛」になったと聞きました(笑)。目立つ名前なので、学生時代は「可愛ちゃんってどの子?」みたいに他クラスから見に来られることも。戸惑うこともありましたが、今となっては100%覚えてもらえるトクな名前だなと思っています。

――秋本さんが起業したのは、大学を卒業してすぐなのですね。
 
秋本 そうです。2013年3月に卒業し、4月に株式会社を立ち上げました。もともと大学2年のときにインカレの起業サークルに入って、チームを組んで実際に事業をやりながら学んでいました。当時は起業しようとは思っていなくて、ただ「成長したい」という思いでした。

――なぜ起業サークルを選んだのでしょうか?
 
秋本 大学に入るために上京したあと、しばらく目標を見失っていて。「楽しいけど、全然成長してないな」と感じていたんです。それで1年生が終わった後、変化を求めたところで見つけたのが起業サークルでした。そのサークルで入ったチームのテーマが、介護だったんです。

――最初から介護を勉強するためにサークルに入ったんですか?
 
秋本 いえ、入った当時はテーマを決めていなくて、「一緒に成長できそうな人と組もう」と思ったんです。そこに、介護への思いがすごく強い先輩が2人いて。1人はお祖母様が認知症で「自分のことを忘れられた」という経験があり、もう1人のお祖母様も要介護状態。そんな先輩方の影響で、介護への思いが高まりました。

――ビジネスの仕方についても、サークルで学んだのでしょうか?
 
秋本 営業のやり方などを教えてくれる人はいましたが、基本は実践で学ぶスタンスでした。飛び込み営業やテレアポなど、全然分からないままやっていました。今でも仕事をする中で社会人としての基礎をもっと学んでおけば、という思いはあります。お客さんに本当に多くのことを教えて頂いています。

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秋本可愛(あきもと・かあい)
山口県光市出身。2013年専修大学商学部卒業。同年、株式会社Join for Kaigo設立。「介護に関わる全ての人が、自己実現できる社会をつくる」をビジョンに掲げ、若者が介護に関心を持つきっかけや、若者が活躍できる環境づくりに注力。都内を中心に介護に志を持つ若者のコミュニティ「HEISEI KAIGO LEADERS」を運営。2015年9月厚生労働省の介護人材確保地域戦略会議に有識者として参加。第11回ロハスデザイン大賞2016ヒト部門準大賞受賞。

日本には「助けて」と言えない環境がある

――女性の起業家は現状3割程度ですが、サークル内でもそうでしたか?
 
秋本 そうですね、起業サークルでも男性の割合が多かったですね。少し前にサークルの卒業式に呼ばれて行ってみたら、女子のメンバーは全員卒業して男子しかいなかったんです。私の代は女子の同期が2人いて、他にも女子は何人かいたんですが。

――就活はしなかったんですか?
 
秋本 していないんです。3年生のとき、サークルで参加したフリーペーパーコンテストで準グランプリを受賞しました。それが注目をしていただくきっかけになったんですが、一方で介護の現場に出向くとこうした情報発信は100%効果があるものではないという実感もあって。

例えば家族が介護を続けることが厳しくなって介護放棄をして、体温34度台になった状態で保護されたお婆ちゃんがいたり。介護に疲れた旦那さんが奥様を殺害して、そこまで追い詰められていたことを娘さんは知らなかったというニュースがあったり。どうすれば人生のおわりをもっと幸せにできるんだろうと思い始めたんです。

介護に限らない話ですが、日本には「助けて」と言えない環境があると思うんです。人と人とが簡単に繋がれる一方で、本当の意味での繋がりや関係性を作っていく必要がある時代でもあると思います。自分が関わっている介護の領域から、そうした環境を作っていきたいという思いが強くなって起業を選択しました。

――それで、就活をしないで起業の準備をされたんですね。
 
秋本 そうです。周囲が「来年4月に就職する」というのと同じテンションで、起業の準備をしました。ただ、若気の至り的な部分もありますね(苦笑)。例えば、今なら「最初から株式会社にしなくてもいい」といった事情がわかるんですが、当時は何も知らなかったですから。あとは、独立したてのころにフリーペーパー制作時から応援してくれている介護業界の方が仕事をくださったんです。起業時に仕事が全くゼロにならなかったのは、そうした皆さんのおかげです。

――結果的に、起業サークルで構築した人脈が生きたんですね。
 
秋本 大きかったですね。興味本位で色んな場所に行っていたので、自然と繋がりが増えていったのですが、そのご縁にとても支えられました。学生時代の営業先で出会った社長さんにいろいろなことを教えてもらい、いろいろな方を紹介してもらいました。本当にありがたかったです。起業にあたっては、サークルのサポートをしてくれた福岡の教育関係会社の方や、介護業界の方々に相談に乗っていただきました。

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